可変帯域中間周波増幅方式の記事です。

古いQST誌で1959年4月号のP11に現代で言う可変帯域中間周波増幅方式について極めて意欲的な記事が掲載されていました。
筆者はDAVID ATKINS W6VZ で21メガ帯域受信で実験して動作を確認しています。
W6VX氏21メガ帯を受信するコンバーターに3メガ帯のクリスタルフィルターを使い更に別の受信機を用意してシリーズに接続してダブルスーパー構造の受信機を製作して実験したと記述しています。
実験記事ではコンバーターで高周波段の性能を向上し 後段の低い周波数の段で選択度を稼ぐ としています。
ここで3メガのフィルターと後段の特性が重なった状態では単に選択特性が改善するが同調を少しずらす事により中間周波段の選択する範囲がずれる特性となり全体で選択度が向上するとし 現代の可変帯域の手法を得ています。
2.1976年版のアマハンP271〜P274にはアダプターとして可変選択度特性を得る機器の製作記事が掲載されていました。 曰く
A Band-Pass Tuner for Adjustable Selectivity と言います。
IF周波数として3395kHzの機器 例えばSB-300シリーズの受信機に対応可能としています。
3.ハムジャーナル誌 1977年12号 P31〜P35には JA6HK 中尾さんと言う方が意欲的な実験記事を掲載されています。
二つのフィルターを組み合わせて可変選択度特性が得られるIF増幅回路 と言うものでTS-510と75A-4をシリーズに接続して所望の特性が得られる事を実証されたとなっています。
今となっては当たり前の様に扱われていますが先人の苦労があってこそでしょう。
4.実用機では八重洲のFT-901やFT-101Zシリーズで実施して好結果を得ています
以下にそれぞれについて記述します。
W6VX氏の全体構造は左図の通りです。

両者を重ねると選択度は変わりませんが減衰特性が向上します。
そこで親受信機の同調を少しずらすとフィルターの重なった部分が少しずれて全体の選択度が少し狭くなって受信性能が向上する となります。

本編では 選択度向上は二次的な問題で コンバーター方式として感度とイメージ性能を向上する目的だったそうです。
そして ついでに選択度向上も図られたと記述されています。

2.アマハン1976年の記事

標題の記事とは アマハン1976年 P271〜P274に4ページにわたって詳細に記載されたものです。
大きなツマミでチューニング、小さいのは利得調節。
右側にあるトグルスイッチは内蔵したフィルターの帯域切り替えとこのユニットの入り切り用。
記事ではIF周波数として3.395MHzの受信機に適用しこのユニットに内蔵した第二のフィルター 455kHz と組み合わせて可変選択度を得る としています。
455kHzの方はコリンズ製だそうです。

又 チューニングの可変発振回路はXCOではなくL/C発振回路でバラクターではなく通常のダイオードの1N914を使っています。
高々数kHzを可変すれば良いのでこれで十分。

455kHzのフィルターはSSB用とCW用とを切り替えて使える様にしていますが バンドパス構造として選択度を変えられる様にしたのですからこれは不要でしょう。


但し 本体の3395kHzのフィルターの特性と455kHz側のそれらの 特にスカート特性が出来るだけ良くあっている事が必要 に関しては言及がありません。

3.ハムジャーナル#12 JA6HK氏の記事

記事の一部をコピーしました。 標題と実機を組み合わせて実証された時の様子です。
ここでは各種の可変選択度方法を考察して最後に実機を使ってその効果を実証しています。

問題点としては実機のフィルターのスカート特性が少し異なるのでフィルターを重ね合わせた時の効果が少し異なったのではないでしょうか?

しかし当時としては中々意欲的な実験だったと思います。

4.市販の無線機で実用化した一例

実機では八重洲のFT-901シリーズやFT-101Zシリーズで実用化して好結果を得ています。
8.9875MHzの受信機の中間に10.760MHzのIFを持つ別の受信機をシリーズに接続した構成となっています。
正しく上述した実験結果を実機に応用したものでしょう。
但し 19.7475MHzの発振器部分がL/C発振器ではなくXCOとなっている事が少し異なりますが。