A One-Tube Five-Band Converter

副題として1.75-28Mc Reception With the Least Expense とありますから 最小費用で短波帯のハムバンドを受信する となります。
ここでは1400-1600Kc帯を受信出来る放送波又はハムバンド受信機で全ハムバンドを聴けるので初心者へ大いに寄与する とも記述があります。
この記事が掲載されていたのは1940年10月号でわが国は太平洋戦争中だった筈です。75年前ですから。
戦後にはわが国でも各種の雑誌で単球コンバーターの記事が多く掲載されてはいますが。
QST誌1940年10月号の49頁に載っていました。

QST誌には毎号 75, 50 and 25Years Ago と言う記事が載っていて昔の事を知る手がかりを呉れています。

75年前のこの記事は単に五球スーパーなんかの周波数変換回路をそのまま使っていますが 出力のIF周波数を455Kc付近ではなく放送波帯の上の方にとっただけです。

勿論 当時の球ですから6SA7や6WC5等ではなく6K8と言う複合管を使っていますし バンドスイッチは使わずプラグインコイル方式です。

驚く事は 当時 既にこの様な機器を自作可能な各種の部品が入手出来た環境があった事でしょう。

我国でも一時 この種の機器の製作記事が数多く掲載されていた模様です。
即ち 短波放送受信が解禁されて家庭用ラジオで手軽に短波を聞いてみたいアマチュアの方々が大勢おられた様子が分かります。







その幾つかの例で雑誌に掲載されていたものを次に示します。

単球コンバーター製作記事 国内の雑誌に掲載された例

単球コンバーター製作記事の一つです。

この例では家庭用ラジオで短波を聴取する目的の機器です。

球は6K8と言うメタル管を使った回路で極めて簡単な回路です。
簡単に製作可能でないと意味ない訳ですが。

又 バンド切り替えスイッチは無く コイルを自作するならプラグインタイプが良い となっています。

出力トランスの方はラジオのアンテナコイルの入出力を逆に使っています。



このアダプターの製作記事のネタ元は恐らく上に示した1940年10月号のQST誌だと思います。
もう一つの単球コンバーター製作記事です。

スーパーヘットの作り方 となっていますが この製作記事は少し趣きが違います。
即ち 当時の一般的なラジオが並3とか呼ばれた再生式のラジオであってそろそろ民間放送開始の時期で分離が悪く困っている方たちの為のスーパーラジオのトップを提供するものです。
コンバーター部分だけを作って並3ラジオの前に接続してスーパー形式のラジオに早変わりさせて分離良く聞く と言う機器です。

同調回路部品を変更すれば短波も聴けますが言及はありません。




次の例は一寸違いますが1949年5月号の「電波科学」に掲載されていたものです。
レモート・コンバーターとなっていて隣の部屋にある大型の電蓄を隣の部屋で制御する目的の周波数変換部分だけのユニットの製作記事です。
制御される側のラジオはスーパーでも並4でも何でも良く スーパーのコンバーター回路部分だけを手元に置く訳です。
回路図を見ると中波はループアンテナ、短波は外部アンテナを使い しかも欲張ってレコードプレーヤーのPUをも切り替えて使うらしい。
出力は本体の一番低い周波数より更に低く 例えば463Kcの辺りに設定しています。
本体との距離は10m位はいける事になっています。

兎に角昔の人は色々な機器を考案するもんですね。