FT-901D タイミングを考えた CWインターフェイス  波形観測の結果  昔実験したアンテナリレー

今までの実験では問題のStart Up Distortion 問題は解消出来ませんでした。 これが有ると何が問題か? って言う程の事ではないですが。
気になり始めたら気になって仕方ないので思い切って本体を改造し根本的な解決方法に着手しました。
先ず タイミングを検討すると 前に記述したタイミングチャートが理想ですがこれを実現する回路を考えて製作する の順でしょう
具体的回路は前にFT-101ZDで実験して好結果を得たものです。

回路図です。
実際に組み立てたときの部品の定数はこの図のものとは少し異なりますが殆ど同じです。
50kΩのVRは100kΩ、0,68uFのCは0.47uFです。
HC00は実機では74HC00を使いましたのでVccとして7805を使って12Vから落としています。
組み立てた様子は次の画像の通りです。

動作は次の通りです。
左端のキーラインがオン CW信号のマーク すると即 IC1-1の出力がHになって2.2kΩを介してQ1 Q2がオンとなりT/Rリレーを駆動 同時にトーン信号が出ます。
又 Delay 1回路が動作して所定のレベルに達すると IC1-3がオンとなりQ3が導通しQ3がオンとなりバイアスを所定のレベルにします。
キーがオフするとIC1-3がH、 Q3がオフとなりバイアスを下げてアンプはカットオフ 又Delay 2が動作しその分遅れて IC1-1がL Q1 Q2がオフとなりT/Rリレーが受信機側へ移りトーンも消えます。
この様にしてタイミングを形成しています。

実機に応用して好結果だったFT-101ZDでの理想的な波形の例

インターフェイス回路を実機 FT-101ZD に応用した時に得られた信号出力波形です。
理想的なタイミングで送出している送信機出力波形です。

前縁の遅延時間は約 8mSに設定していた記憶です。
短点信号が一個でも連続送出でも変わりませんでした。

インターフェイスの実際

組み立てて実機に設置した様子です。

場所は丁度アナログメモリーユニットが在った所です。
万能基板を取り付け白い紙を絶縁に使いその上に両面テープで取り付けています。

TO220PKGが7805で赤い線の+12Vから+5Vを作ります。
手前の基板の青い部品で大きいのが0.47uF 少し小さくて四角いのが100kΩの多回転可変抵抗器でDelay 1とDelay 2 を設定出来ます。 ICは74HC00。
右下にある三個のトランジスターが2SC1815。
緑色の太いビニール線はアースライン。

右端を上に走っている黄色の線ががQ1出力でグリッドバイアスを制御します。
2SC1815から伸びて7905の下を通る白い線がQ3出力で基板上の小型リレー群をコントロールしています。

尚 左側の水晶発振ユニットの上にある四角い部品は小型リレーNR-SD-5VでCWモードの時にSSBフィルターを使える様にする切り替えスイッチです。
切り替えはAMGCスイッチの+8Vでやります。


配線変更しました。
    
    
配線変更後の様子です。

上のリレー群では4個全部を使う訳ではので水晶発振ユニットに貼り付けてあった小型リレーを右側のリレーの一つに変更しました。
実は 裏蓋に当たっている様子でしたので。

Sメーター配線は現在は受信機側だけの配線です。

設置した後 早速波形観測しました。 結果オーライです。

上の画像の状態でキーヤー出力を接続してタイミングの様子を観察しました。
左側の画像が短点一個を送出した時の各部の波形です。 右側のが短点を連続して送出した時の波形です。 全く同じ波形です。
最下段の波形がキーヤー出力 一番上のがバイアス回路へ接続されたQ3のベース波形 真ん中のがQ1のベース波形です。オシロの設定は例によって10mS/DIV。
Delay 1/Delay 2とも約5mSに設定してみました。どちらも約50mS程度可変の回路です。
キーヤー出力で即 T/Rリレーが駆動され 少し遅れてバイアスドライバーが動作しています。
又 キーダウンでバイアスドライバーが動作を停止し 少し遅れてT/Rリレーが動作する筈です。 正しいタイミングで動作しています。
後は 実機でアンプの出力波形を観測する事になります。

12BY7A の出力を観測

正しいと思うタイミングが形成できる様になったので実際に12BY7Aの出力波形を観察しました。
画像はドライバー管12BY7Aの出力 即ち PAのグリッド端子で観測しました。
背面パネルにRF OUTのコネクターがあってそこからオシロへ接続しました。

例によってデジカメは花火撮影モードですが 焦点をマニュアルで設定する必要があっていつも忘れてしまい無限大焦点撮影です。
画像はシングルショット カメラを待ち受け状態にして 短点を一個送出して露出するとこんな画像になります。

オシロの設定は横軸 10mS/DIVで 高周波出力は約 10mS遅れて出ています。

後ろ側は鋭く切れている様に見えますが横軸を広げて観測するとこんなに急峻ではありません。

Antenna Change Over Relay

他の問題がまだあります。 もしかしたら一番大きな問題かも知れません。 いわゆる Antenna Change Over Relay です。
過去には先人達が各種の回路方式と部品の使い方を提案していますが、いずれも一長一短があります。
その中でも最も優位な方法を紹介します。
左の回路図は最も優れている方法です。
原点はA Complete Break-In Unit for CW  P20〜Jan. QST 1960 W2LYH です。
能動素子は全て真空管ですが、現代でも通用する回路方式と断言出来ます。

その中でアンテナ系は切り替えるのではなく送信機をアンテナラインへ接続したままで受信機のアンテナ端子を切り替えるものです。
受信状態ではリレーはアンテナラインに接続してあり 送信状態で接点がアース側へ移り受信機側には信号が伝達されませんしアースするので安全です。
他の方式に比べて損失も利得もありませんが最も確実です。
QRP機では一般的にダイオードを使いますが低電力だから許せる方法でしょう。

リレーは耐圧が心配されるかも知れませんが50Ω系でマッチングが確かならば扱う電圧は低いので問題ないです。
但し 高速で小型なリレーが望ましくリードスイッチが適していると記述しております。

実機に応用して好結果を得た通常のリレー例

Antenna Chabge Over Relay の記事で受信機側だけに高速リレーを使う案も素晴らしいですが 当局では昔 FT-901DMに応用して好結果だった方法を紹介します。
左の画像がFT-901DMのアンテナリレー実装の様子です。

トロイダルコアと隔壁の間に小型基板を置きリレーを両面テープで取り付けてあります。

太い二本の裸線がアンテナ端子へ伸びています。 L字型のが中心線 斜めに走っているのはアースラインです。

この方法は100W程度の送信電力なら問題ないですが上記したW2LYHの方法の方が優勢です。