コリンズ社が開発製造した51J-4受信機について改めて詳述します

どのマニュアルを見ても最初に記述してある事項は次の通りでしょう。
即ち コリンズ51J-4受信機は安定度と周波数精度が最高に求められる通信用に開発された・・・です。
当初は軍の要請により極めて正確な周波数読み取り精度と超安定でドリフトが少ない用途 例えばRTTYの様なデータ通信に適した機器として51J受信機を1949年に開発したと言われています。それだけではなく優れた再現性のAM受信やCW受信機能を提供するとなっています。
最終的には有名なR-388/URRとして発展したとされています。
51J-4受信機は更に選択度特性を重視した機器として海外の通信基地局 或いは研究開発にも用いられた様で特にその周波数読み取り精度の良さで各地で周波数測定装置として使用され他の機器を不要とする程だったと言われています。
51Jシリーズは総合的には約20,000台を超える生産台数を誇り1964年頃には51J-4は少なくとも7,500台以上の製造となり全数ではコリンズ社内でも最も多くの機器を製造した事になっています。
そこで51J-4受信機についてもう少し詳しく説明しておきます と言う事で次の通りです。
マニュアルから転載した51J-4受信機のブロック図です。
極めてまっとうな書き方をした図で左上から信号入力そして音声出力は右下へと言う典型的なブロック図です。
途中の真ん中左にクリスタルフィルターの次にメカフィルが挿入されている事が分かります。
高周波増幅一段 可変IFとVFO 4段の中間周波増幅段そして検波と音声増幅となっています。
即ちいわゆるコリンズタイプ当たり前ですが。
これだけでは51J-3受信機にメカフィルを挿入しただけの様に見えますが所がどっこいブロック図や回路図からは余程注意して読むなり実機を観察するなりしないとこの受信機の良さいや凄さ は理解できないでしょう。

基本的にはシングルスーパー、ダブル及びトリプルスーパーの構造となっていて受信バンドにより各部を一挙動で切り替えています。
受信操作は主に主ダイアル(KC DAIL)。

ブロックダイアグラムの詳細説明

上記したブロック図では詳細は良く分からないかも知れません。改めて別の図を参照しながら詳述します。マニュアルから抜粋しました。
バンド1、バンド2と3及びバンド4〜30とで構造が違っていてそれぞれトリプル、シングル、ダブルスーパー構造です。
バンド1
周波数範囲は0.5Mc/s〜1.5Mc/sでこのバンドだけトリプルスーパー構造です。
AMのBC放送を受信可能とする為にだけこんな複雑な構成になっているんですね。
0.5〜1.5メガの中波放送波帯を受信するだけにこれだけの回路をわざわざ付加しています。
信号は4メガの水晶の第三高調波で一旦11.5〜10.5メガに変換し 同じ4メガの今度は第二高調波である8メガとでミックスダウンされて3.5〜2.5メガのVIFに落とされます。そして3〜2メガのVFOの信号とで最終的に500キロサイクルの固定の中間周波増幅段へ印加されます。
尚 0.5メガ付近は500キロに近い為 実際には540キロ付近から とされています。
バンド2とバンド3
周波数範囲はバンド2が1.5〜2.5Mc/s。バンド3が2.5〜3.5Mc/s。この二つのバンドはシングルスーパー構成です。
水晶発振回路は動作しません。
この段は普通のシングルスーパー受信機と全く同一の校正となっています。
バンド2とバンド3のVIFの切り替えは2.5〜1.5メガのコイルに並列に同調回路を接続して3.5〜2.5メガに対応しています。
バンド4〜バンド30はダブルスーパー構造です。
奇数バンドと偶数バンドでVIH部分を切り替えています。又 バンド4〜バンド12までの水晶発振周波数は基本波を使っています。
バンド13〜バンド30は第二高調波又は第三高調波を使っています。
バンド4から上は普通のダブルスーパー構成です。
バンド4からバンド12の水晶発振は基本波を使っていますが バンド13から上は第二高調波或いは第三高調波を使っています。
即ち 図にあります様に 偶数バンドに対してはその番号に2を足した周波数の、また奇数バンドに対してはその番号に3を足した周波数の信号を印加しています。
例えば バンド11は10.5〜11.5メガの受信に対して11+3=14メガの水晶出力を。 またその上のバンド12は11.5〜12.5メガですが12+2=14メガの同じ水晶発振出力を使っていて結局水晶の個数は1個となり節約されています。
この様にして水晶の個数を節約しトータル9個の水晶片で3.5〜30.5メガをカバーする事に成功した訳です。