51J-4 で分からない部分がある?

INSTRUCTION BOOK 9TH EDITION, 15 SEPTEMBER 1961 520-5014-00 (1961年09月15日発行 第9版 部品番号 520-5014-00)の最終頁に添付されている回路図をよく見ると当方では良くは分からない箇所が幾つかあります。それらを列挙しますと次の通りです。

1.アンテナインプットコイルが無い。

これは51J-3でも同じで無いのではなく設計段階で機器の使用環境を考慮して初めからインプットコイルを巻いてなかったのだそうです。
Henry Rogers WA7YBS/WHRM氏によると 従前は300Ω系のアンテナ用にアンテナインプットコイルを巻いてあったそうですが柔軟に使用環境に合わせる為にAntenna Trim control を使用する方式に変更したとの事です。
巷ではその為 わざわざアンテナインプットコイルを巻き足す改造を施したハムも居たほどです。
或いは 実際の回路は入力インピーダンスはかなり高いからアンテナとの間にLoZ-HiZ変換回路例えばステップアップトランスやGGアンプを付加する改造をした記事を見たことがあります。
アンテナコイル部分の回路図です。
ご覧の様にアンテナインプットコイルが無い回路になっていて小容量を介してANT接栓へ接続されています.
直列に挿入する小容量の切り替えとアンテナ線を6個の同調コイルへ切り替えて接続する為のロータリスイッチが二枚あります。

本機に使われるアンテナに関してCollins社発行のSales Brochure では次の様に記述してあります。
RF INPUT : Single ended coaxial. Antenna trimmer will resonate input circuit when used with any normal antenna. Break-in relay mounted internally.
又 マニュアルには次の様な記述があります。
RF−INPUT IMPEDANCE : Designed to operate into a high impedance whip or single-ended antenna.
要するに映画なんかで良く見られる様な航空母艦で横に張り出した一本の棒状アンテナやジープが走行中にムチの様に左右に大きく揺れるアンテナを頭に描くと良いでしょう。
アンテナ入力回路付近の実機の様子です。

左端にブレークインリレー真ん中のバリコンがトリマーコンでC230 100pF
パネル裏にアンテナ入力接栓座(新品)があり そおの直ぐ傍にネオン管のI104があります。

右端にはS101とS102のウエーハーが見えます。
このロータリスイッチではトリマーバリコンに接続するコンデンサーを切り替え 更にアンテナ接栓との直列コンデンサーをも切り替えています。

 2.ブレークイン回路

これはブレークインと言うよりはアンテナ入力回路の保護に関する内容でしょう。上の回路図でアンテナ接栓J101に並列に接続されたI104。
通常はネオン管で一応の保護作用が働くでしょうが 大入力が加わった場合にはどうしょうもありません。
そんな場合の為にアンテナ回路を一時的にアースして入力回路を保護すると同時に受信機の電源の一部をカットして動作を止める方法がとられています。
その為に低電圧で動作するリレーが設置してあり外部の機器から制御する回路構成になっています。又 主電源のスイッチにはSTAND BY機能があります。
尚 後に幾つかの改良又は改造指示書によると半導体を使用した保護キットがありそれを設置する様な記載があります。次の画像です。
或るオーダーの51J-3では左図のアンテナ保護回路をネオン管I104を撤去してアンテナ接栓座の近くへ設置した機種があったとの事です。
受信機の近くにある送信機の電波でアンテナコイルを保護する動作をする との記述があります。
尚 本回路のマイナス電源は本体電源トランスの中点とアース間に挿入した抵抗からとるそうです。
回路の動作は簡単ですから省略します。

一時流行ったキャリコンと同じと思えば良いでしょう。

3.バンド1の感度向上方法

マニュアルの5-9頁に各バンドの感度が表示してあります。
これをみると短波帯(1.5MHz〜30MHz)については概ね4uV程度以下なのに対して中波帯は5uV〜10uVとなっています。
これは中波の放送局は大電力放送が多く 感度は低くても良いからだったのでしょう。
しかし 一部の好事家の間ではこれを嫌って感度向上を図った人たちが居た様です。
その方法はRFA-1st MIX間のカップリングコンデンサC117 2pF を多少大きくすれば宜しいとの事でした。

   4.4段に渡る455KHzの中間周波増幅段

51J-4では51J-3のIFAの途中V107とV108の間にメカフィルユニット(354A-1)を挿入し正面パネルから切り替える構造になっています。
即ち V107をV301としメカフィルを挿入しメカフィルの損失を補償する為に6BA6を増設してV302とした構造です。
元々3段だったIFアンプ群が結局4段になりました。
AVC電圧はV302以外の球にかけてありV302はセルフバイアス増幅です。
+B電源はブレークインリレーを通って最終段にかけてからデカップリング回路を介して前段 そして別のデカップリング回路を通って
初段V301にかけて
あります。V302は別電源回路です。
右端にある二本の球がV301/V302 6BA6 で354A-1です。
その左にV108/V109 6BA6 でIF Amp です。
354A-1は従ってV107の位置に取り付けてあります。

真ん中下のIFTと直ぐ横の球はBFO トランスと発振管V114 6BA6 です。

尚 BFO回路は配線変更して6BE6を使ったプロダクト検波回路に改造する記事が数多く見られました。

5.Mechanical Filter Conversion Kit 354A-1

これだけで何だか分かる人は殆ど居ないでしょうが51J-2や51J-3に取り付けて中間周波増幅段を51J-4並みに変換するユニットのフルキットの名前で専用のマニュアルが発行されています。下の画像で左側がそのマニュアルの表紙で全部で18ページの書類です。
右側がキットの回路図で 本体に増設した時の回路図から抜き出したものです。   
メカフィル変換キット 354-1のマニュアルの表紙と回路図です。
本体のV107を撤去し Xtal Filter とV108の間に本キットを設置する改造です。
マニュアルにはキットの内容の記述があるのは当たり前ですが当該機器51J-2
又は 51J-3に応用する場合の本体配線変更も懇切丁寧に記述してあります。

回路図を観察するとV301にはXtal Filter 回路のT-102を介してAVC電圧がかけ
てありますがメカフィルの損失補償の為のV302にはAVC電圧をかけてありません。
但しカソードに270Ωの抵抗を挿入し固定バイアスがかかる構造です。

写真ではメカフィルを選択する構造ははっきりしませんが シャフトを回転すると
リンク機構となっており四角いシールドケース内でロータリスイッチが回転し切り替え
ているのでしょう。要するにBFOの軸から少し離れた箇所にある平行した別の
軸に回転動作を伝える為のメカの事ですが。
右側が正面パネル側で 左側がオリジナルのBFOの周波数を変化させるシャフトです。
尚 マニュアルは極めて丁寧な説明に終始していてフィールドで使用者や技術者が
作業しやすくなっているのが理解できます。
恐らくヒースキットの組み立て説明書にも負けないでしょう。

特筆すべき事は兎に角マニュアルを一度最後まで読んでから作業せよと記述してあります。
取り付け後の操作方法 (354A-1のマニュアルから抜粋)
改造前の操作方法と殆ど同じだけれど選択度が改善されているので最良の結果を得るには少しばかり注意が必要との記述があります。

A. CW :MFセレクターは1kCを選択し今までのやり方の受信操作で良いが 送信側の周波数ドリフトやチャープが目立つ様になるだろう。
  混信が酷い状態ならばXtal Filter を併用するのも良い。

B. AM :MFは3KC又は6KCを選択する。3KCのMFの場合片側のサイドバンドとキャリヤー信号を受信するに充分な帯域があるので
  同調操作はダイアルを少しずらしSメーターが下がり始める箇所に止めると良い

  更に同調をずらすとキャリヤーが帯域からはずれるので良好な受信は出来ない、又AVCが効かなくなって受信雑音が酷くなる。
  (更に6KCフィルターを使用する受信方法の記述がありますが省略します。)

C SSB :3KCのフィルターを選択し、オーディオゲインを最大近く、AVC:OFFそしてBFOツマミを操作し音量はRFゲインツマミを操作して
  聞きよい状態で受信
せよ。
  以後BFOツマミはそのままにしておき 受信信号にキャリヤーがあるが如くの受信操作をする。
  (これは プロダクト検波回路が無い受信機で無理やりSSB信号を受信する方法として広く知られていました)

D FSK : 省略

6.AC Power Cord

本機の電源コードは意外に太い物で右下の説明文の赤線部分にあります様に頑丈な材料を使った立派な物です。外形11.5mm 長さ3010mm。
但し画像の様な変なプラグ(Hospital Grade で医療用機器に使われている)が取り付けてありますが普通に使えます。
一部の人は安全の為に三線式の電源コードと相応のプラグに取り換えるそうです。本機も交換してあって素人が半田付けした形跡があります。
確かに背面を観察してもアース端子は見当りませんのでやっておくのが良いと思います。

7.Sメーター

51J-4受信機のSメーター回路部分を抜き書きしました。
メーターはアンテナ入力の高周波信号レベルを等価的に表示する事とスピーカー端子に生ずる音声出力信号の大きさをスナップスイッチS117で切り替えて読み取れる様になっています。

信号強度を表示するいわゆるSメーターとしての動作説明はマニュアルには記述がなく 切り替え操作に関する記述だけです。

Sメーターの動作は極めてシンプルで古典的な回路で理解するのは容易ですから省略したのでしょうか。
動作は次の通りです。
高周波信号があって発生したAVC電圧で制御されるV108のSg電圧とV109のカソード電圧の差を検出して電流計を振らす となります。

尚 電流計の外観とかパネル面構造とかの違いが幾つか有る様ですね。


R-388/URRのマニュアルTM 11-854 57ページの54 Input-Output Meterに動作解説が載っています。
最近になって気が付きました。

SメーターはBurlington社製です。

目盛は上側がオーディオアウトプットを表示し 左側へ 2-4-6-10の数字が印字してあり右側へ+表示で2−4−6とあります。

下側は信号強度(RF INPUT)をdB表示してあります。

マニュアルでは次の記述です。
Meter Calibrated in 20, 40, 60 db above AVC threshold and -10 to +6db audio level with 6mw as reference

8.IF AMP の結合コンデンサー

51J-4 (51J-3も)のメインのIF Amp の結合コンダンサーはマニュアルではT-104 top coupling 等と部品表に記載があります。
これが51J-4 と 51J-3 ではその値が少し異なります。 上に記述したMechanical Filter Conversion Kit 354A-1のマニュアルでは51J-3に適用する場合,該当するコンデンサーの容量値を変更する事になっています。要は取り外してキットに付属のコンデンサーと交換する訳です。
下左の回路図は51J-3の該当する箇所で 右のが51J-4の該当する箇所の回路図です。少し小さく見えますが赤丸の箇所です。
51J-3の方はC192/C196/C210がそれらでいずれも2pFですが 右の51J-4の方のC196/C201はそれぞれ3pF/5pFとなっています。
選択度改善 特に 狭くする目的でこれらを撤去する例がありますが それなりの理由があって取ってはダメです。
選択度が甘い広いとかではなくある程度の帯域が必要で特にAM信号受信で困る事になります。
尚 回路図を見ると 上の第4項で記述したIF Amp の+B電圧のかけ方が良く分かります。
51J-4のIFT Coupling コンデンサーの画像です。
左側が C196 3pf 右側がC201 5pf のチタコンです。

9.RF Amp Tube 6AK5

51J-4 のTF Amp 球が何故6AK5か長い間分かりませんでしたが マニュアルの次の記述ではっきりしました。回路動作説明の4.2.2項です。
当時はコリンズ社お得意の例の 6DC6 はまだ使ってはいませんでした。
他の各社はどうだったか分かりませんが 6BZ6等が出てくるのはずっと後でしょう。
6AK5はシャープカットオフの球ですし しかもこの段にもAVC電圧がかかっています。かけては悪い訳ではないでしょうが効きが少ないでしょう。

10.IF Amp Gain Ajust R187

回路図を眺めていてこの可変抵抗は何?R187 10KΩです。 51J-3 ではこんな細工はしてませんR-390Aでは同じ回路方式です。
下図 3RD IF Ampl 6BA6 V108 のカソードとアース間にあるのがそれです。回路から明らかにこの球のゲインを変化させているのが分かります。
マニュアルには次の記述があります。第5章メンテナンスの章 5.9.17に記述があり 工場で予め適正に設定されているが必要なら調節せよ。
即ち 3uV 2.1mc の信号をアンテナへ入力し 50Ωを接続したIF OUTPUT J104にて270mVになる様にR187をセットせよ。とあります。
そこでR187は何処に?下右の画像の箇所です。実機の色はもっと薄いです。カソード側に小さい抵抗 例えば100Ω位を直列に接続するのが普通ですが。

11.VIF Section

51J-4では(51J-3でも同じですが)3MHz〜2MHzのPTOを第一局発とした親受信機に対してVIFとして奇数バンドは3.5Mhz〜2.5MHz偶数バンドには2.5MHz〜1.5MHzを使い分けています。その為第一ローカルの水晶発振回路で使う水晶の個数が半分になる工夫だそうです。
又 バンド2とバンド3はそれぞれ1.5MHz〜2.5MHz及び2.5MHz〜3.5MHzをそのまま使って普通のシングルスーパーとなります。
左図はVIFのコイル部分の回路です。
ロータリスイッチS110とS111がバンドスイッチと連動しており上側のコイルが単独で使うか下側のコイルを並列接続するかを選択しています。
並列接続するとインダクタンスが小さくなり3.5MHz〜2.5MHzに同調します。
単独で使う方を選択すると2.5MHz〜1.5MHzに同調する と言う訳です。
切り替えている訳ではないです。

S110とS111はバンドスイッチを操作すると一番最初に回転する構造となっています。

尚この回路図では奇数バンドを選択、バンドスイッチはバンド7(奇数)を選択した時の回路図となっています。

       12.メカフィル実装でもシングルクリスタルフィルターを残す理由とは

この問題はハムバンド専用機の75A-4の所有者から不思議がられていたそうです。
実際にはクリスタルフィルターはある種のQRMに対してMFより優れているからだそうでした。
特に近傍のヘテロダインやMFでは取り切れない混信信号に対して有効、又 Phasing コントロールが効果がある事もその理由でした。
しかし一部のBCLからは不興を買ったそうでした しかしこれはお門違いでしょう。 何故なら51Jシリーズは元々は軍の通信用としての性能が要求された機器で音声通信ではなくデータ通信用だったからです。
研究所ではダイアル精度が良くて周波数計を設備する必要はなくなった事も軍と同じでした。
更に 周波数精度の良さ、周波数安定度と素晴らしい選択度などが51J-4を購入するユーザーが最も注目する所以だった訳です。
兎に角 音声の忠実度を追及するよりパスバンドを狭帯域にする事が必要だった と言う訳です。
長点鎖線で囲った二か所が該当する部分です。
左側のがクリスタルフィルター 右側のがメカフィル部分です。

メカフィルの選択度は1KCとか0.8KCとかがオプションで選択可能だったそうです。
尚 メカフィル部分は同じ軍用でもR-390Aの該当する部分よりも簡略な回路でロータリースイッチが簡単な構造です。

13.VFOの直線性とエンドポイント誤差

実は多くの体験記事では直線性は兎も角 エンドポイントは経年変化で相当ずれているらしいので当該機器の様子はどうかな と思っていました。
実際にチェックしてみると望外に良い事が判明しました。
即ちバンド2 の真ん中 2MC から両端に殆どずれは確認できませんでした。大きくても1KC程度。思いもかけない本器は拾い物でした。
2000KC±500KCでチェック 途中経過も殆どずれていません。 極めて実用的です。
チェック方法は次の通りです。
BFO ON、 BFO PITCH 中心線、メカフィル 1KC選択、CALIBRATE ON、AVC ON、CRYSTAL FILTER オフ(0)。
バンド2で真ん中2000KCにKCダイアルをセット
この状態でゼロビートをとりZERO ADJ セットする。
次に 右端(2500KC 2.5MC)付近でゼロビートをとりKCダイアル目盛を読む。
そのまま左端(1500KC 1.5MC)付近までKCダイアルを廻しゼロビートをとりKCダイアルの目盛を読む。
以上の途中でも100KC毎にチェックする。 この様なやり方でチェックしました。 結果は最大でも1KC以下でした。

14.バンドチェンジツマミの回転方向が逆?

最初に本機に触る方はまず正面の KC DIAL 次に恐らくは右下のバンドチェンジツマミでしょう。
ここでバンドチェンジツマミの回転方向が通常とは違っている事に誰しもビックリされると思います。つまり右回転でバンドが下がる事実にです。
BC帯(バンド1)を受信していて上のバンドに変えようとして無造作に右に回すと通常は回りません。左回転で初めてバンドアップですから。
KCダイアルは通常の右回転で周波数が上がります。 この話は右利きの人に通用する事で左利きの人は大きいツマミは回し難いでしょう。
正面パネルの様子です。
右下の大きいツマミがバンドチェンジです。
これを回すのに結構な力が要ります。しかも左回転でアップで。

これらのつまみは米国のDEKA WARE KNOB だそうです。

スイス軍ではコリンズSシリーズ機器のツマミを使用していた様です。

余談ですが メカフィル選択のレバーは操作しにくいです。
又 この機器はいわゆるトグルスイッチが無いです。
BFOツマミ近くにあるのは前の持ち主が細工したらしいブレークインスイッチです。

15.Slug System におけるカムの位置 VIFの場合

51J-4 (51J シリーズ)でコアーの動きが良く分かる箇所の一つにVIF段があります。下の画像で左端にある大きめのがそれですが。
KCダイアルを回すとVIFの周波数が1.5MC〜2.5MC 又は 2.5MC〜3.5MCの間を同調する構造です。
左画像がコアーが一番下がった位置にあり周波数表示では1.5MC、中のが真ん中の場合で2.0MC、右のが3.0MCの場合でコアーが一番上にきた場合です。
カムの形状の変化を観察するとこの場合右回転してカムの外周に接しているJ字型の部品が上下します。

VIF 部分の構造が良く分かります。

KCダイアルを回転すると連結されたギヤーメカで動作する構造です。
背面パネルから右へ伸びている金属製のアングルでコイルに挿入されているコアーを支持していて背面のカムが回転するとアングルが上下して関連するコアーが一緒に上下する構造となっています。
KCダイアルが10回転するとコアーがトップとボトムの間を上下します。
バンドスイッチがどの位置にあってもVIFの部分の上下運動は全く同じです。

見えているシールドケースに入った真空管は左から
V101 RFA
V102 1st MIX
V103 Band 1 MIX
V105 XCO
V106 2nd MIX
です。
(V104 はキャリブレーターで6BA6ですが見えません。)

尚 VIFの同調範囲は高々1MCですがバンドスイッチがどの位置にあっても各バンドのコアーが1MCだけ微細に動く構造がコリンズ社の得意とするメカ構造の素晴らしい所で、KCダイアルとバンドスイッチの軸が連動して差動ギヤーの働きでこの複雑な動作を司っている訳です。
VIF セクションのコイルの様子です。
下側の少し長めの二つのコイルが低い方の1.5〜2.5メガの可変同調コイルです。
上側のコイル間の距離が少し小さいのが並列に接続して高い方の2.5〜3.5メガに同調させる為のコイルです。

上の画像で右端に見える二つのコアー調節のネジがそれです。
そして長い金属金具に取り付けてあるネジが低い方のコイルの同調です。

コイル間に見えるチタコン状の部品は上側が2pF下側のが4pF。
3.3kオームのソリッド抵抗はミクサー管のV106 6BE6 のスクリーングリッドのドロッパー。

台形状の黒い板は水晶発振子のカバーです。

16.IF AMP の回路 定数及びタップダウンの違い

51J-3 のIFT の出力側の接続がタップダウンしてありますが51J-4ではタップダウンはせずにフル巻線で球のグリッドへ接続してあります。
51J-3 の3rd IF と 検波段のIFTの出力側タップダウンの様子です。

一部の人は利得を稼ぐ為にタップダウンをやめてフル巻線方式に変更改造したり・・・これは利得配分の観点から望ましくないです。
特にプロダクト検波回路を増設改造した場合の信号が大きすぎて検波出力が歪む結果となるので宜しくないです。

又 回路図にはカップリングコンデンサーの値が三か所とも2pFとなっていますが これらの容量を変えたり取り外したりしてはいけません。
51J-4のIF AMP 部分です。

図の様にカップリングコンデンサーの値が2pF 5pFとなっていて51J-3と違います。
又 IFT のコイルからの接続はタップダウンしてなくてフル巻線端子をつかっています。
これは恐らく6KC幅のメカフィルを選択した場合の利得の補償と帯域をカバーする為の処置だったのでしょう。
IF AMP の球数はメカフィルの前後に2球ありますから全部で4段の増幅段となります。
従ってV108のカソードにわざわざ半固定の可変抵抗域を挿入して全体の利得を調節する工程がマニュアルに記載されています。

17.回路図にはない改造箇所

W6SAI Orr 誌の記事機器全体のグリッドバイアス電圧を決定する抵抗の値が経年変化で変わってる号機もある様でチェックする方が良いとの記述があります。
それはRF Gain 調節のアース側の抵抗、R149 820Ωが経年変化で大きくなるのだそうです。この抵抗値が大きくなるとRFA 6AK5のG1電圧がマイナス方向へずれてトップの感度が下がるからです。 尚 その他に前の所有者が改造した箇所が幾つかあります。
正面パネルには無い筈のトグルスイッチの配線 画像では右上の黄色のビニール線なんですが これが外部からくるブレークイン回路に直列に入っていてオペレーター操作によって動作する事を期待したのでしょう。しかし残念ながら配線が完結してなく実際にはブレークイン動作はしなかった筈です。

又 その左側にある白丸の中には信号強度を観測する為でしょうか 検波回路が接続してあります。
最終段のIFTのタップから緑色のセラミックコンで取り出しアース間に接続したダイオードで検波し100KΩとタンタルコンで脈流とし外部へ背面パネルを介して取り出す構造になっています。
マニュアルでは最終段IFTの端子3の電圧 これは低周波信号出力 を観測する為のDIODE LOAD 端子ですが恐らくこの端子が背面パネルに出ている端子だったのでしょう。

尚右下の電源線は二芯から三芯へ変更した線材が使われています。
配線材料の色は黒 白 緑 ですが緑がアースである事は当然として 黒色の線材が見えません 下の方に在るからです。



左下の白丸内の件は当方の勘違いでした。
この2.2KΩの抵抗はR168で元々取り付けてあるのが当たり前の回路です。
半田付けの仕方があまり上手ではなかったので変に思った訳です

18.BathTub Capacitors

この機種に限りませんし軍仕様からかどうかは分かりませんが標題のコンデンサーが幾つか使われています。
大抵の場合 ペーパーコンデンサーの様ですが 中にはDRY ELECTROLYTIC 電解コンデンサーでしょう が混じっています。
画像で左上のがC223 8uF 350WV 上真ん中のがC239 8uF 350WV 背面パネル側のがC205 0.1uF X3 600WV その左上のがC214 0.1uF X2
そして隔壁の両側に C198 0.1uF X2 と C216 20uF 150WVの電解コン チョークコイルの傍にあるのがC215 で20uF 150WVの電解です。巷ではこれらのコンデンサーを現代的な部品と交換する同好の士が大勢おられた様です。

19.バンドの表示方法

51J シリーズのバンド数表示方法は共通で各1メガ帯の真ん中の周波数を基準にしています。
即ちバンド1は0.5メガ〜1.5メガの真ん中の1メガを表しバンド2は1.5メガ〜2.5メガの中心2メガでバンド2と言う様に。
又 例えばバンド14は13.5メガ〜14.5メガの14を・・・・・と言う様にしてバンド数を表示しています。
下表はその一部を表した表です。

お気づきかも知れませんが 奇数バンドに対して水晶発振出力周波数はバンド数+3です
偶数バンドに対しては水晶発振出力周波数はバンド数+2です。 
例えば バンド5は+3で8メガ。そしてバンド6は+2で8メガと言う風に です。

20.赤色の目盛は何?

Drum Dial (横行ダイアルの事)はどのバンドの どの辺りの周波数を受信しているかを表示する機構とメインツマミ (KCダイアル) で各1メガ帯のどの周波数を受信しているかを示す1KC刻みの円形ダイアルには黒色の目盛のほかに赤色の目盛が表示してあります。
これはバンド2とバンド3では単なるシングルスーパーですが目盛方向が他のバンドの目盛とは逆方向になっているのでその事の注意喚起をする構造となっていて赤色に印刷または刻印してあります。
左側の画像がDrum Dialで中ほどから下の方向に バンド1 バンド2 バンド3 バンド4の目盛が見えます。
少し見にくいかも知れませんがバンド1とバンド4 及び上の方の目盛は黒色ですが バンド2とバンド3の目盛が赤色になっています。
更に目盛の数字が右方向に小さくなっています。例えば バンド2では真ん中が2.0で右へ1.9 1.8 1.7・・・・・となっています。
そして右側の画像はメインダイアルですが上側の赤色の数字と内側に黒色の数字が見え数字の上昇と下降が逆になっています。
即ち バンド2とバンド3に限り横行ダイアルもメインダイアルも赤色の数字を使って周波数を表示する構造となっている訳です。 

21.フレキシブルカップラー 略称 フレキ。

51J-4に限らないと思いますが結構沢山の数のフレキシブルカップラー(フレキ)を使用しています。こんな箇所にも と思う箇所でも。
次の画像で赤丸で示した箇所です。

右上のアンテナトリマーと下左のキャリブレーター補正バリコン

上側のがバンドスイッチ 下が水晶切り替え

高周波部分のコアーの移動用

上側の二つがBFOバリコン調節用
下右が水晶フィルターのフェージング調整バリコン用
訂正します。BFOバリコン調節用とした二個のフレキのうち 右側のはブッシングであってフレキではありませんでした

22.ハム音が極めて少ない。

51J-4 ではヘッドフォーンで聞いてもいわゆるハム音が極めて少なく殆ど耳には感じません。
即ち オーディオゲインを最大にしてもブーンと言うハムが聞こえません。高周波雑音が大きく聞こえますがRF GAINを最大から少し下げて7.5位にすると全く何も聞こえないのです。
ヘッドフォーンはトリオのHS-5 4Ωで受信機の600Ω端子と並列ですから音は小さくなるのでしょうか。AC100Vで動作させて確かめました。
51J-4の電源部分の回路図を示します。

+B1が主電源でオーディオの出力管のプレートと抵抗を介してVFOへ行っています。
+B2は残りの回路の全てに行っています。 3HのL122は120mA、 L123 5Hは80mAです。

23.1st Mixer と Band 1 Mixer の信号印加方法が逆です

回路図では1st Mixer において信号入力はG1(pin 1) で局発信号はG3(pin7)へ印加しています。
ところが Ban 1 Mixer は信号をG3 へ印加し 局発はG1へ印加していて逆です、この方が普通だと思いますが。回路図の通り。
G1端子へインプットする方が信号感度が高いからでしょうか。

24.51J-4の水晶発振回路のコイルと構造は?

一般的な同調コイルの構造とはだいぶ違います。 又 その在処もよく探さないと分かりませんでした。
そのコイルとは左の画像の赤丸の中に見える斜めになった部品で回路図では左下にあるL121です。チョークコイル状でした。

25.Xtal Filter

51J-4受信機は51J-3にメカフィルを追加しただけではなくオリジナルのXtal Filterを残しています。
その部分がどんな様子かを画像で示します。どの様な構造だったかが良く判ります。
回路的にはシングルクリスタルフィルターと称するもので未だメカフィルなんかが発明される前の時代 特にCW受信時に威力を発揮した様です。
しかしその特性上は受信機の操作に慣れないと狭帯域すぎて信号を見失う様なになったかも。

尚51J-4では水晶フィルターとメカフィルはそれらの帯域切り替えは独立していて別々に操作する構造ですがガチガチの軍用機であるR-390Aでは連動しておりその結果帯域切り替えが0.1KC/Sから16KC/Sまで幾段にもなっていています。

Xtal Filterの回路図

51J-4のマニュアルからコピーしたXtal Filter 部分の回路図です。

赤線で囲った箇所がそれですが入出力にIFTがあり信号端子は高インピーダンスですが水晶Y112は本機の場合500KC/Sで極めて低インピーダンスで少し離れると高インピーダンスになります。

その原理で結構狭い帯域の信号経路となりますが出力端子に接続された抵抗がIFT T102 をシャントする回路になり水晶に対して減衰回路となり見慣れた減衰曲線を呈する訳です。

一番 狭帯域の時は数100サイクル〜300サイクル位の帯域となるそうです。 

51J-4に実装されているXtal Filter 部分の構造は次の画像の通りです。

シャーシ内部で電源回路のフィルターを一時取り外して撮影した入出力に接続されているIFTの端子部分です。

左側が出力側でT102 右側のが入力側でT101です。

同軸コードが二本みえます、下側がミクサー管V106のプレートからの信号線、上側がIFアンプのグリッド1に行く信号線です。
IFアンプの球は実際にはメカフィル部分のトップの球ですが。

ミクサー管6BE6 V106も IFアンプ管 V301も実は筐体の上側にあって信号線は当然シールド線を使っています。

尚 IFTの端子に接続してある茶色の部品はセラミックで電源線のバイパスコンでした。
又 左下にあるバリコンはキャリブレーターの周波数補正用です。
筐体を上から観察するとフィルター部分はこの様に見えます。
内部構造がはっきりわかります。

ロータリスイッチは帯域切り替え、バリコンはフェージング調節で水晶片が逆さになって空中配線となっています。

IFTは左側のが出力側 右側が入力側です。

実際の構造はケースがかぶっていてゴミが入らない様になっています。

尚 左下に見える軸はメカフィル部分の帯域切り替えで実際にはメカフィルの接続を切り替えています。
右下の汚れた部品は電源トランス。

26.51J-4 の寸法

51J-4の内側の寸法は下の画像の通りです。440mmX325mmX258mm。 正面パネルは19インチのラック幅で標準的です。

27.プラグイン構造のケミコン

本機の電源回路のケミコンはプラグイン構造でその為に整流管と一緒にクランプ用の金属板が取り付けてあります。
当方の所有している機器にはその金属部品はありませんが。
電源回路のケミコンC217a/bは35uF450VDCが二個封入されたものです。
画像で手前に転がっているのがそれでUSソケットに差し込んで使う構造ですが容易に抜けるので手前の整流管の5V4Gと一緒に金属板で押さえておく構造となっています。

立っている6角の金属棒でその金属板を取り付けるらしいです。

尚 ケミコンそのものは1952年3月ごろの製造らしいです。
メーカーはSPRAGUE。

又 彼の国では代替品を販売している会社があるそうです。

28.付属品の調整棒(ドライバー)の在処は?

マニュアルでは調整棒としてでしょうか ドライバーのセット が付属している筈で筐体の右側面の筐体の裏側に取り付ける為の細工がしてあります。
下左の画像は正規のドライバーセットらしいのが取り付けてある写真です。 右側のが当方の実機の同じ個所の写真で 何も有りません。
でも前に51J-3を入手した時には調整棒ではなくドライバーの二本セットがあったのですが。

29.ロータリスイッチの秘密

51J-4では幾つかのロータリスイッチが使われていますが その中のS-112 BFO ON-OFF、S115 AVC ON-OFF、S-116 LIMITER IN-OUT 及びS-118CAL ON-OFF は回路図上では1回路2接点ですが部品表では夫々2回路2接点と記述があります。
実際に機器を観察すると確かにその通りです。
画像はカナダのVE7CA HansenさんのHPから拝借したものです。
メーターの直ぐ下の3個と白色の線が配線してあるスイッチがそれらです。

51J-4の改造で最も多いのがプロ検改造です。
BFO回路を6BE6使用のプロ検回路に改造し オーディオ信号切り替えをすれば良いわけですが スイッチとして2回路2接点が必要です。
そこで 51J-4ではオリジナルで備わっているロータリが利用出来ますので簡単です。
画像は既にその改造を実施した部分のものです。
但しパネルを画像の様に外して作業する事が必要です。これが嫌ならオーディオ信号切り替えを別の方法で 例えばリレーを使う で良いでしょう。



私が所有している51J-4で実際に正面パネルを取り外す作業をやってみました。

30.気になったのでBFO発振波形を観測しました

将来 BFO部分をペンタグリッド管6BE6か何かに差し替えてBFO回路をプロダクト検波回路に改造するで一寸気になったので波形を観測しました。
観測箇所は発振出力信号を検波管に印加する小容量のセラミックコンC205の前後です。
上側の波形が発振管のプレート出力で約80Vp-pはあります。
下側のがC205の出口側 検波管のグリッドに印加される波形で約7Vp-pでしょう。

プレート側は多少歪んでいますが 印加信号側はそれ程ではありません。

尚 観測は10X 10MΩのプローブで10pF程度の容量がぶら下がっていますから本来の波形とは少し違うでしょうが大差ないです。

実際にプロ検に改造した時のBFO電圧としては十分です。
その分 受信信号側の電圧を分圧して印加しますから。

31.Calibrater Outputの波形

Calibrater の信号波形を観測しておくのも良い でオシロで波形観測です。
波形観測箇所はキャリブレーター V104 6BA6 のプレートピンです。
所謂鋸歯状波となっています。
周波数は勿論100KC/sです。
この信号は高調波を多く含んでいるそうで短波帯の全域で受信機の信号源として使うとの事です。
実際にはこの波形の微分されたパルス状の信号を高周波増幅管 V101のグリッド1ピンに小容量のコンデンサーを介して印加しています。
尚 キャリブレーターのオンオフはカソードを入り切りしてやっています。

尚 FT-101ZやFT-901等の比較的古いが現役の機器では100KHzの他に25KHzに分割した信号も出る回路構成です。
これは 3.5MHz帯の周波数範囲が25KHzの単位であった名残りだと聞いていますが。

又 現代のシンセサイザー式のトランシーバーではそもそも周波数チェック機能の概念が無いらしくCalibraterなんか実装してもいません。

32.AVC 電圧発生回路

次の画像で左側のが51J-4のAVC Volt.発生部分というか バイアス電圧発生回路部分です。右側のが51J-3の同じ部分です。
赤丸内の抵抗R-149 がAVC電圧で制御される球の固定バイアス電圧を決定するとの事です。
51J-4では680Ω 51J-3では820Ωです。

機器全体のマイナス電流がこのR-149を流れその大きさで決まる電圧が可変抵抗器R-146 10KΩの下側をある一定のマイナス電圧にしてRF Gain が最大の時の球のバイアス電圧を決定しています。
このGF Gain が可変抵抗器 R-146です。
従ってR-149が損傷乃至抵抗値が変化すると機器のゲインを大きく左右する事になります。
この事はW6SAI のMr.Orr 氏が指摘されており よく有る事らしいです。

所が当方所有の実機はこれが改造 並列に別の抵抗を接続してあり 何故だか450Ω位になっておりました。
これは恐らく前の所有者がバイアス電圧をもっと低くして感度を上げたからかも知れません。

33.トータルゲインについての記述

51J-4受信機の利得はどの位あるのでしょうか?仕様では1W出力に対して2uV入力の記述があります。
相当大きなゲインがありそうです。マニュアル内の記述は次の通りです。
マニュアルの第5章12ページの右上端のコピーです。
即ち アンテナ入力として2.1Mc 3uV、出力観測点はIF OUTPUTジャックのJ104(背面)、そしてシャーシ上面にある半固定可変抵抗器 R-187をまわして270mVになる様に調節せよ となっています。
従って270mV/3uV=9X10,000
20(log 9)+log(10X10X10X10)=20X0.9542+20X4=19.1+80=99.1dB
約100dBの利得となります。

34.検波管がどうして12AX7?

51J-4受信機の検波回路の球はなんと12AX7です。12AU7 とか 12AT7 なんかではありません。
参考までに他の受信機の検波管も観察します。
51J-4の検波管は回路図で示します様に V110 12AX7 です。
プレートとグリッドを直結してカソードとの間で二極管検波回路を形成しています。
ピン7に別の信号が印加されていますがこれはBFOの信号です。
又 同じピンに接続してあるC226 100pFは別の双三極管V111 12AU7の片方を使ったカソードフォロワーへ行っています。
更にプレートピンから C204 100pF からはAVC電圧を発生する回路 同じV110 12AX7の片方で整流してAVC電圧を発生しています。

参考までに他の機種の検波管はどうなっているでしょうか?
下図左はR-390Aで5814Aを使っています。5814Aは12AU7の高信頼管。
下図右のはハリクラのSX-146の検波回路で12AT7 をつかっています。

尚 12AX7 12AU7 12AT7 は少しずつそれらの特性が違います。
球としては相互に差し替え可能ですが。 
 
この回路はずっと前にQST誌に記載されていたW2LYH氏の大変珍しい構成のハムバンド専用受信機の検波部分です。
左端上のプロダクト検波回路は普通ですが、赤丸でかこったDIODE DET即ちAM波検波回路が特異です。
この回路はご覧の様にSメーター回路の一部としても使われています。

この受信機の回路図を眺めると大変興味深い事に気が付きます。
全体では25球だそうですがなんと6C4と言う小型真空管を沢山使っています。
理由としては12AU7を使っても良かったが6C4の方が配線し易いからだそうでした。
使用球は6C4 11本 6BA6 8本 6BE6 3本と6AU6 6J6 12AT7が各1本。 
記事はQSTのOct 1951 P11〜P17に掲載されています。

尚 筆者のW2LYH氏は当時としては極めて珍しく真空管回路でCW送信機のフルブレークインアダプターの製作記事を執筆しています。
A Complete Break-In Unit for C.W. QST 1960 Jan. P20〜P23


36.定電圧放電管回路
51J-4とか51J-3では定電圧放電管0A2をVFOの電源電圧安定にだけ使用しています。
他の発振回路の電源は大元からとってくるだけで特に安定化はしておりません。
しかし51J-4と51J-3とでは回路が少し異なっています。
51J-4の0A2周りの回路図です。
R181 1400Ω R185 1800Ω 及びC230 8uFの多分リップルフィルターの様な回路になっています。
電圧は入力が230V 出力電圧は150Vとなっています。
C239のアース側の接続点が大元の電源のケミコンのアース点と共通です。


対して51J-3の部分は次の画像の通りです。
51J-3の0A2周りの回路です。
ご覧の様にドロッパーはR181の4000Ωだけです。
それでも入出力電圧は夫々230V 150Vですが。
但しこの回路図ではケミコンのアースが何処に接続してあるか不明です。
51J-4のC239 R181 R185周りの実像です。
C239は茶色のホーロー抵抗2本の向こう側に見えるバスタブコンデンサーです。
ホーロー抵抗は手前がR181 向こう側がR185です。

尚 左側に見えるアルミ状の部品が肝心なVFOのケースでしょう。
その傍にあるシールド板に沿っているシャフトはアンテナコンペンセーターバリコンC230の回転軸です。

続きます